高密度のケラチンが細胞内に蓄積し細胞核が消失する
完全な角化=正角化する形での角化亢進、即ち過正角化症を示します
・しかし、粘膜の重層扁平上皮の性質を保ったままの、
細胞核を失わない不完全な角化=錯角化をしながら、
量的には角化亢進している状態、即ち過錯角化症であることもあります
・同時に、上皮下結合組織には炎症性細胞浸潤が多く認められます
・これらの変化は、単なる感染や自咬その他の外的刺激に対する、
可逆的な反応性変化であることもあり、
また不可逆的変化を起こしてはいても「皮膚型の上皮への化生」に
相当します
・多くは、良性の変化にとどまります
その場合は、個々の細胞の形態の異常=細胞異型や、
細胞が層構造を逸脱した配列を示したり分化勾配を喪失したりといった
極性の乱れを起こすこと=構造異型は生じていません
しかし、これらの異型を伴っている場合は、
異形成や上皮内癌の結果として角化亢進が起こり、
臨床的に「白板症」として捉えられたことになります
・良性の角化亢進は異形成や上皮内癌に
必須の前駆症状という訳ではありませんが、
良性の「白板症」に隠れている異形成や上皮内癌を
スクリーニングするため、
臨床的には白板症を「前がん病変」として扱います